グリーンランドでの環境問題としては、次のようなものがあります。

�@ そこに住んでいる人々や動物が、魚を食べることで、重金属等の有害物質が体内に蓄積すること。

�A 北米、ロシア、ヨーロッパ等からの大気汚染物質が流入してくること。

�B 冬から春にオゾンホールが現れ有害な紫外線が増えること。

グリーンランド固有の環境問題というのは判りません。 しかし、環境問題というのは、場所が違っても、多かれ少なかれ関連していますので、 現在、多くの人が関心を持っているものと大きな違いはない様にも思います。

地球温暖化の影響は、極に近いほど強く現れるのではないかと一般的には考えられています。 とすれば、降雨や降雪の様子が大きく変わる、オゾン層破壊の進行の影響が出やすい、 などは、そこで生活されている人にとって無関心では済まされない点があると想像します。

ヨーロッパやロシアの大都市で放出される大気汚染物質が北極へ拡散する現象は、 ずいぶん前から関心を集めていますが、 グリーンランドでもそのようなことに関心がもたれているのではないでしょうか。

今、グリーンランドを踏破中の長谷徹志さんは、 中国の砂漠から気流に乗って運ばれてくる砂塵を調べていますが、 そのような気流は砂だけでなく通り道にある大都市の汚染ガスも一緒にはこんでいるでしょう。

環境問題から、少しずれるかもしれませんが、グリーンランドで現地の人々に聞いた話を書きます。

�@ Qaanaaq地区（極北グリーンランド）で、最近、海氷がなかなか凍らない年があった。

�A Qaanaaq地区の氷河が、昔に比べて、せり出してきた。

�B 南・西グリーンランドで、ザトウクジラが増えすぎて、魚が獲れなくなってきた。

�@については、地球温暖化の影響とは必ずしもいえることではないと思います。 たまたまその年がそうだったのかもしれません。

科学的なデータがあるわけではありませんが、現地の人々が生活の中で感じている環境の変化、 というのも貴重なデータの一つだと思います。