氷床に突如現れた人工物。何ともいえぬ親近感を感じた。
私は途中から何かすぐに分かった。観測塔だ。
電柱より一回りほど小さい一本5mほどの鉄柱に、木の枝の様に何本かの鉄のパイプが伸びている。
そのパイプの先に観測機材が付いている。
私が見た感じでは、風速と風力を計る装置、雪面の高さを測る装置、気温、湿度、気圧を測る装置、
太陽の光の強さを測る装置が付いているようだった。
観測塔の前で記念撮影。
これらの観測データを一番上についているアンテナで電波を使い、どこかの基地に送っているのだろう。
電源はソーラー・パネル(我々が使っている物に非常に似ていた)と風力発電でまかなっているようだ。
ソーラー・パネルだけでは、冬になり、極夜(きょくや)になると風力発電するしかないからだろう。
それにしても内陸氷床で人工物を見るのは初めてだったので、とてもうれしかった。
少しでも西に流れてしまっていたら、会えなかったのだ。
しばらく写真やビデオなどを撮り、色々と観察した後、名残惜しいがさよならすることにした。
ここでは大場さんと二人だけ。今まで何かに出くわしたのは小鳥とこの観測塔だけである。
次に何かに会えるのはいつだろう・・・。
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