外で荷物の整理をしていると、予定より約10分早くヘリコプター(Bell212)の羽の音が聞こえて来た。
しかし、まだヘリコプターを目視(もくし)することはできない。
二人で探す。私の方が先に発見した。ウマナックは我々の地点より北西にあるためそちらの方向から来るかと思っていたが、
南西の方向からやってきた。
ヘイコプターを発見し、誘導する大場と長谷。
やった〜!ついに来た。どんどん近づき、一度我々の上空を通過し、旋廻(せんかい)したのち、大場さんが誘導し、
テントから2、30mほど離れた地点に着陸した。簡単にパイロット達と挨拶を済ませ、補給物資を受け取る。
パイロットと助手2人の3人できていた。
久しぶりに典ちゃんと会う。気のせいか、色白できれいになっていた。
まず、補給物資の中からホワイトガソリンのボトルを取り出し、燃料ボトルに詰め替える。
また、ダンボールから食料(ぺミカン)を取り出し、ソリに投げ込む。その間、
パイロット達は持って来たドラム缶の燃料をヘリコプターに補給していた。
ウマナックから補給地点まで約1時間20分のフライト。 帰りの燃料をペリコプターに補給する乗組員たち。
ホワイトガソリン(食事、暖房用)を詰め替える大場。
一段落したら、みんなで記念撮影。日本とグリーンランドの国旗を取り出し、
ストックに結びつけ、ヘリコプターの前で何度か撮影を行った。
ヘリコプターの前で記念撮影(左から大場、長谷)。
二国の旗を掲げる長谷。
約一時間ほど滞在し、ヘリコプターは離陸。帰る際に大場さんがスキーセールをするところを撮るため、近くを2度旋廻した。
私も地上からカメラをまわした。
その後テントに戻り、受け取った補給物資を開く。
一人二袋ずつだ。一つは食料、もう一つは装備の袋。まず、食料と書いてある袋を開けてみる。何が入っているのだろう。
まるでクリスマスプレゼントを開ける子供のようにドキドキしながら開けた。
もう言葉はない、思わず笑みがこぼれる。
ラーメン、ソーセージ、ベーコン、ビーフジャーキー、りんご、干し魚、コーヒー、紅茶、砂糖、味噌汁、スープ。
その他にパイロットのラースからの差し入れで鯨(くじら)の肉、典ちゃんの作った豚肉のステーキ、菓子パンがあった。
まず、豚肉のソーセージをほおばる。うまい!
一つ、二つとどんどん口に入る。あっという間に無くなった。
寒いので白く固まった油が、包んであったアルミホイルにこびりついている。もったいないのでこれもなめた。
続いてラーメン。うますぎた。さらに、りんご、ソーセージ、菓子パンと食べに食べた。
久しぶりのラーメンのうまさに、思わず笑みがこぼれる。
ラース(パイロット)からの差し入れ、鯨肉にかじりつく長谷。
装備の袋を開ける。
インナーブーツ、インナーソール、裁縫道具、スピンネーカー・テープ(スキーセール補修用のテープ)、膝(ひざ)の薬。
新しいインナーブーツはカミック(イヌイットの民族衣装)のインナーに使うものらしい。
サイズもぴったりだった。
早速、裁縫(さいほう)道具を使い、破れた手袋等を補修した。
完璧(かんぺき)な補給だ! 典ちゃんありがとう!!!
裁縫の達人、長谷の手にかかったら直らないものはない。 見事、24平方メートルのスキーセールを修理。
今日は久しぶりに大場さん以外の人と会った。またこれから二人だけの生活だ。
|