宮下典子隊員の日誌

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2008年5月3日

イグルー作りに挑戦

イグルーが作れることと、アザラシを仕留められること。これがイヌイットの青年が結婚できる条件だそうだ。イヌイットといえばイグルーというほど、世界に名高いイヌイットの雪の家。しかし当然のことながら、今イグルーの中で暮らしている人はもういない。


ブロックを切り出していく

イグルーはハンティングに行ったときの数日間のシェルターでもあり、家族みんなで暮らす冬の家でもあった。大きさも用途もさまざま。家として使うイグルーには、透明な氷で窓を作り、動物の皮で出入り口をふさいだ。オイルランプの煙を逃がす煙突もつけた。食料を貯蔵する小さなイグルーを併設することもあったそうだ。


同じ大きさでそろえる

ユカコさんと一緒にファースト・エアーで働くスティーブとジェイソンが、イグルーを作ってくれることになった。かかとで踏んで、ほんの少しだけ沈むくらいの雪がイグルー作りには最適な雪。のこぎりとスノーナイフを使って、雪のブロックを切り出していく。そしてだんだんと積み上げていく。切り口をやや斜めに削っておくことで、積み上げるにしたがってだんだんと内側に傾いて、丸いドーム状のイグルーが出来上がるというわけだ。これをしないと、例えば夜イグルーの中で寝ているときにパカっと外側に崩れ落ちたりして、大変なことになってしまうのだ。ブロックは内側から積み上げて、最後に中から出入り口となる穴をくりぬいて完成となる。


しっかり固まった雪なので、重い

中で一度ランプをともしてあたためると、雪が少し溶ける。そしてもう一度凍ったときに、ブロックとブロックの隙間がふさがり、寒さが防いでくれる素晴らしい家が完成するというわけだ。ジェイソンもスティーブも、同じ村に住む年長者(elders)に、作り方を教わったそうだ。


内側に入ってつくる

私たちのイグルーは、一人がやっと入れるくらいの小さなサイズ。もうちょっとで完成というところだったが、続きはまた後でということで、スティーブとジェイソンが仕事に戻る時間になってしまった。
さあ、はたして、このイグルーは完成するのか?


角度をつけながら積み上げていく

宮下 典子

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