宮下典子隊員の日誌

2008年2月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29  
2008年3月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
2008年4月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
2008年5月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
>>他の隊員の日記を読む

2008年5月9日

ユーレカに到着

レゾリュートの気温もマイナス11度にまで上がった暖かな日の午後、大場さんはユーレカに到着した。グリスフィヨルドを出発してから21日、予想よりも早いペースだった。ユーレカから先のルートをどうするか、Quttinirpaaq National Park(国立公園)の管理人たちや気象予報士のウェインと地図を広げて相談した。地形や季節を考えると、最初に想定していたルートは、氷河を通るために危険性が高く、避けた方がいいということになった。たった一人でクレバスの多い氷河を行くのは危険だし、5月下旬になれば一気に雪と氷が溶け出すようになるからだ。代わりに川に沿っていくルートをすすめられた。大場さんがユーレカにいる間に、新しいルートのマップをメールで送り、検討してもらうことにした。

青空が広がり、ずっと屋内に引きこもっていた人達でさえジョギングに出かけようとするほどの素晴らしい天気。その太陽の光を浴びていると、自然と心が弾んでくる。だが、長い間この地方に関わってきた人達にいわせると、この天候はただ喜んでいられるだけのものではないようだ。「頭の中で、警鐘がなっている」と、ウェインも言った。「北極海の氷を多く溶かした2005年の夏を上回る大きな変化が、この夏、北極に起こるかもしれない」
大場さんのワードハント島までの冒険も、時間との戦いになってきている。もう20日もすれば、北極の夏がいっきにやってくるからだ。

宮下 典子

連絡先