2008年3月16日
コーンウォリス島の山を、ソリを引き歩いている。ソリの重さは約70kgになってきた。ソリの重量が12kg程、食料のペミカンは1日1kg程度、テント、コンロ、寝袋、衣類、などの他、デジタルカメラなどのカメラ類、パソコン、イリジウム衛星携帯電話といった通信機器も準備した。食料とコンロの燃料のガソリンは、日に日に使うので減ってゆく。だが、衣類やテント、鍋、スキーセール、シャベル、双眼鏡などは当然ながらそのままである。
テント内でペミカン(携帯用保存食)を食べている大場隊員。
出発の頃から、太陽の出ている時間も1日15分ほどずつ長くなっている。太陽が雪を暖めて、ソリの滑りを良くしてくれるのでありがたいし、風が粉雪を吹き飛ばし、固い雪が現れるので、これまた、滑りが断然違ってきた。ソリの滑りが良いと、歩きも楽しい。むしろ夢中になり、どこまでもこのまま歩いていけるような気分になる。長谷隊員はゆっくりゆっくりとマイペースを守り、ソリ引きをするのであまり汗をかかない。私は、今までの北極の旅で必死になって頑張って歩く癖があるので、どうしても汗をかいていまい、テント内で防寒具を脱ぐと、フリースの上下は汗の凍った霜で真っ白になり、へばりつき、それが溶けて湿り困ってしまう。だから、汗をかかないようにジッパーを開けて、体温調整が必要だ。
雪の上に動物の足跡が残っているのを良く見かける。直径5cmほどの大きさの穴が雪の上に開いており、多分、レミングの足跡のようだ。また、違う足跡もあり、これはどんな動物なのかよく分からない。オコジョかもしれないが、姿は見ていない。こんな丸い足跡だ。直径2cmの大きさの丸い形の足跡だ。人間のように、交互についている。
また、カラスも飛んでいる。日本のように集団ではなく、1羽でいることが多い。-30℃以上の厳しい環境で、よく住みついているものだ。驚きである。
大場 満郎