大場満郎隊員の日誌

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2008年5月22日

北極圏の動物達

北極ウサギ
今、川を歩いているが、雪の解けた川原や荒地、岩山の草をウサギが食べているのを良く見かける。大きな身体をしていて、人が近づいてもあまり逃げず、平気な様子。でも、何かに驚いた時は、後ろ足で立ち上がり、そのままぴょんぴょんと飛び跳ね(正にうさぎ跳び)、川原の石ころだらけの所を、すごい速さで走っていく。その走りっぷりがとても滑稽で、大笑いしてしまう。

広い川原なので、ざっと見ただけで10羽以上はいる。ゴロゴロいると言った方がいいだろう。雪が解け、岩山や川原にも草が現れ、それを食べているのだ。

高い山に来ると、ウサギも少なくなってくる。まだ草が雪に隠れていて、食べることの出来る草が少ないからだろう。地球温暖化でウサギやキツネ、カリブー、ジャコウウシなどが増えるかもしれない。草の生えている時期が長くなり、子育てが楽になるからだ。

オオカミの歩くルート
川原の雪の上を歩くと、柔らかい雪でスキーやソリが沈み、動けなくなってしまう時がある。私は川の中央部を歩いていたのだ。ところが、オオカミは川原の高くなっている斜面を歩いているのが、足跡を見て分かった。そこは川底よりも高いので、風に吹かれ雪が固く締まっていて、沈まないのだ。オオカミはそのことを良く知っているのだ。しかも川はジグザグしており、広いのでどこが川なのか分からなくなってしまう。でもオオカミは近道をしたり、しかも固い雪の上を選んで歩いていることが分かった。

オオカミの足跡についていけば、正しいルートを歩けるのだ。野性の本能はすごいものだ。

ジャコウウシ
山の中に入ると、牛のような足跡が残っている。ジャコウウシの足跡は、カリブーより大きく、正に牛と同じ様な足跡なのでびっくりした。雪が解け、草も多く見られるようになり、これからどんどん食べて、子どもをどんどん生むのではなかろうか。暖かくなれば草もふんだんに長い期間育っているだろうから、野生動物たちにはいいかもしれない。

ちなみに、ジャコウウシは氷河時代から生き残っていると聞いていたが、その生命力はものすごいものであり、われわれ人間も学ぶべきことが多々あると考える。

ライチョウ
私が歩いていると、ギー、ガサガサガサガサと、音が鳴った。なんだろうと見ていると、白い大きな鳥があり、私から30m程の所に舞い降りた。驚かさないで写真を撮ろうとカメラに手をそっとやるが、そんな心配は必要なかった。チョコチョコチョコと、かわいい足取りで私の周囲を歩き回り、逃げる気配がない。なんと1m近くまで来て、私を見ているではないか。

全身白で、くちばしが黒く、両目の上が赤くなっている。ちょうどハトと同じ大きさである。こんなかわいい鳥が、ギー、ガサガサガサガサと鳴くとは想像もしなかった。保護色で冬は白くなるが、夏はどんな色になるのだろう。
人懐っこい鳥だった。

見慣れない足跡
最近、見慣れない生き物の足跡を良く見かける。雪の多い北東部の山々の中で、大きさが3cmから4cm程の小さな足跡で、爪のあともしっかり残っている。
土岐隊員が「オコジョかもしれない」といっていた。姿はまだ見ていないが、そうかもしれない。

大場 満郎

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