2004年4月19日

ホワイトアウト

グリーンランド南部の4月の天候は荒れると聞いていた。太陽が戻り、高度を増すと大気が温まり、 冷たい大気が暖かな大気を押す形で移動する。 4月はまだ寒く、(-20℃ほど)雪も湿りの無い、小さな粉雪なので、風に飛ばされ、雪面を川の水の様に流されてゆく。 さらに強い風が吹くと、空中に舞い上がり、視界が消えてしまうほどのブリザードになってしまう。 青空が見えていても、雪面から30mほどの高さまで何も見えない世界に変わってしまう。 さらに曇り空の日なら、空も消え、雪と空の境が分からない状態となり、周囲が360度真っ白な空間になり、 ホワイトアウトの状態となる。


ブリザードの中、テント設営する大場隊長。

このホワイトアウトの日は、スキーセールや歩いていても、船酔いにかかった状態になり、気持ちが悪くなってくる。 スキーで滑走していても、進んでいるのか停止しているのか判断できず困ってしまうのだ。 こんな日は無理をせず、テントの中でのんびりお茶でも飲みながら、日記を書いたり、 地図を見て今後の方針を立てたり、また寝ていたりする。 だって、天気がよくなりよい風が吹いてくれさえすれば、 一日に50、60kmは楽に前進できるのだから、今日のように。

    


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