長谷さんが右ひざと足の裏が痛いといって、困っている。スキーセーリングという、彼には慣れない、
そして普段使わない筋肉を酷使(こくし)したので、ヒザの関節痛がおきたようだ。
サスツルギと呼ばれる雪の波が30cmほどの高さにもなり、スキーを乗り入れても硬くて潰(つぶ)れない中を、
時速20kmから30kmのスピードで滑走すると、ダンダンダンとスキーごと振動が来て、たまにはジャンプすることもあり、
足や膝にかなりの無理がかかってしまう。
だから休み休み進むようにしており、スピードも距離も以前より落ちてきている。
朝起きると、美しい日の出が待っていた。
ベース・マネージャーの宮下典子さんが、グリーンランドのイルリサットに住む医者から飲み薬を調合してもらい、
明日の補給の時、持って来てくれることになっている。
痛みがとれ、元気になって、一日に100kmも進めるようになってくれれば良いと思う。
長谷さんは「今日も100km行くぞ!」というのが口癖になってきている。
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