雪面の表情
内陸氷床の雪面は、場所によってかなりその状態が違っている。
今日私たちが通ってきた雪面は、鏡のようにまっ平らと表現してもオーバーではないようなものだった。
スキーセーリングで時速約20km以上のスピードで滑走していてもほとんど振動はなく、まるで静止しているような状態であった。
なぜこうもまっ平らな雪面ができるのか、不思議である。
雪面は様々な表情を持つ。
またある場所では、強いカタバ風に削られた、サスツルギ(雪の波)帯がある。
風で硬く締まり、スキーとソリはまるで大波を越えて進む小船のようなもので、ガッタンゴットンと常に振動を受けつづける。
このサスツルギ帯で、長谷隊員はヒザと足の裏の痛みを生じたし、
私のソリの後部側面も少々表面のコーティングが剥(は)がれてしまっている。
またその他、粉雪が雪面に残っているところ、風で表面がテカテカに光るほど硬くなっている雪面もある。
粉雪が吹き飛ばされた、硬い雪面だと、スキーとソリは、断然、飛ぶように滑ってくれる。
でも粉雪の上に来ると、急ブレーキがかかるようなもので、ググッと急にスピードが落ちてしまう。
その他、実に美しく芸術的な風紋(ふうもん)が残されており、自然の神秘さに感動を抱いてしまう様な雪面もある。
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