2004年6月6日

ピックアップ

6月6日19時ごろ、やっとピックアップのツインオッター機が、私たちのキャンプ地に飛来する。数回旋回した後で、 私たちの作った滑走路に北側から南側にかけて着陸する。このツインオッター機には車輪をはさむ形で鉄製のソリがついており、 雪面や裸氷帯に離発着できるのである。滑走路の長さは250m必要とのことで、私と長谷隊員はシャベルででこぼこの場所を均(なら)して平らにした。 いよいよ着陸態勢に入り、飛行機は低くゆっくりと突っ込んでくる。雪面にソリが着くと、急ブレーキをかけ、前のめりになるようにして停止した。 成功だ!機内から、パイロット、副パイロットの女性、もう一人の男性、そしてベースキャンプマネージャーの典子さんが降りてくる。 久しぶりの再会で典子さんも元気そうで安心する。


待ちに待ったチャーター機が到着し、喜びの大場・長谷。


離陸前、チャーター機 ツイン・オッターの前で。

氷床からカーナークの空港までは、2時間10分のフライトだった。眼下に広がるのは真っ白な雪面だ。 氷河の近くではクレバスが網の目を張ったように見え、しかも雪に隠されており、所々は黒くぽっかりと穴が開いていた。 長谷隊員と顔を見合わせて、「お〜、こわっ」と言ってしまう。


氷床を飛び立った瞬間。ツイン・オッターの中で。

カーナークの空港に大島育雄さんの長女のトクちゃんが車で出迎えてくれた。20年前、私がグリーンランド西岸を歩き、 シオラパルクの大島さんの家に着き、泊めてもらった時以来の再会である。当時彼女は小学校5年生ほどだったが、今では29歳。 電気技師としてカーナークで働いているとのことだ。懐かしい再会であった。


カーナークの空港に降り立ち、久しぶりの地面をかみしめる。
うれしさいっぱいの大場・長谷。

また、大島育雄さんとも電話で話し、 地球の温暖化のことについて信憑(しんぴょう)性のある話を伺うことが出来た。 ボートで海岸線を走っていると氷河の末端が年々形を変え、奥へ奥へと引っ込んでいってしまっているということである。 「それは地球の温暖化現象でしょうか」と私が聞くと、「多分そうでしょう」と大島さんは答えた。 また、大島さんは「質問には答えます。何でも協力しますのでどうぞ」と言って下さった。 これから大島さんのお話をいろいろと伺って、ホームページに載せていきたいと思う。ご期待下さい。

    


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