警察官
今日は朝から、町役場と警察へ行った。町役場では、
私たちの企画書「地球縦回り一周の旅・第2弾カナダ編)を提出してヌナブト準州(イヌイット語で「我らの大地」の意で人口の約82%がイヌイット、1999年に旧ノース・ウェスト準州から分離独立)のパイロット校(我々と衛星電話やE-mailで定期的に交信する学校)を紹介してもらう予定だった。
しかし、小学校の先生たちはヌナブト準州の首都イカルイトで開かれている大きな会議に出席しているため土曜日まで不在ということで、
話を進めることができなかった。
警察へも役場と同じように我々の企画書を提出して、緊急の際の手続きを済ませた。
ここレゾリュート・ベイには1〜2年交代で警察官が赴任するらしい。
今日対応してくれた警察官(次回会ったときに名前を確認しなければならない)は、
オンタリオ出身らしく、父親がフランス人とインディアンの混血で、
母親がスコットランド・イングランド・アイルランドの混血だという。
彼はブーツの紐を締めておらず、この警察署はいかに緊急出動がないかが伺える。
しかも、私と話している間にブーツを脱いでしまい、靴下だけでカーペットの上を歩き出した。
本来これは規律違反であろう。もしも、私が平静を装った不審者だったらどうするのだろう?
「ここは、小さな町だけれども忙しい?」と訪ねたら、雪で家が壊れた、
酒を飲んで車を運転した(注1)などの事件簿を見せてくれ、日報をまとめたり結構忙しいと言った。
また、飛行機の着陸があれば、来訪者をチェックにいくという。
しかし、我々が空港へ降り立った時には、見かけなかったような気がする。
また彼は、勤務後に高校生にジムで筋力トレーニングを教えている。
これは、あくまでもボランティアということだ。確かに、彼の背は大きいし骨太である。
パトカーは大きな四輪駆動車だが、右側のサイドミラーは破損していた。
警察官自らが、整備不良車両に乗っている。
私は、訪問国と日本との違いを一つ一つ見つけるたびに、異国を訪れる醍醐味を感じる。
(注1) |
以前、ヌナブト準州内では首都のイカルイトだけしか酒を飲むことができなかった。
現在も、ほとんどが禁酒の町である。ここレゾリュートも禁酒であるが、申請して許可が下りれば飲めるらしい。
ただ、その許可がなかなか下りないという。観光客は許可が下りる可能性はあるが、住民は絶対無理のようである。
どうしても飲みたい場合は、イカルイトかイエローナイフまで行くしかないようだ。
禁酒の理由は、若年層のアルコール問題対策なのだろうか?
あるいは、イヌイット民族への政府援助でイヌイットが自立しなくなってしまった末、
アルコール依存者が増えているのか?今後6月まで続くヌナブト準州滞在で、明らかにしていきたい。
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レゾリュート・ベイの警察署
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小林丈一
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