遠征延期
遠征隊は、明朝3:30に北米大陸最北端のワード・ハント島へ向けて飛び立つ予定だった。
しかし、着陸地点の天候が悪いという予報のため、出発が翌日に変更になった。
そこで、今日は各個人が思い思いに時間を過ごした。
私は、バーナー用のガソリンや地図の手配などを、ホテル・マネージャーのルーカスに手伝ってもらった。
今日は、日曜日のためCO-OP(生活協同組合)が休みだったので、ルーカスに融通をきかせてもらわなければならなかったのである。
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さまざまな要望を快く引き受けてくれるルーカス(27歳)
心強いルーカスは、来週このホテルのオーナーへ格上げになる。
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ルーカスは空き時間に、スノーモービルで近くの丘へ連れて行ってくれた。
そこには、イグルーという雪をブロック状に重ねた丸いドームが造られていた。
学校教育のフィールド・ワークで、年配者が子供たちにイグルーの造り方を教えていたらしい。
遠い昔、イヌイットは、冬になるとイグルーを造り、下にアザラシの皮を敷いて生活していた。
しかし今は、スノーモービルに乗って、半そででいられるくらい温かい家に住む。
丘の上で、スノーモービル(免許は不必要で16歳から乗ることができる)を乗らせてもらった。
バイクが大好きな私にとって、スノーモービルはとても興奮する乗り物だった。
やがて、別のスノーモービルがやってきた。
それからおりた白人女性は、私が日本人だと知ると「コニチハ、ワタシハ、キタキュシュニスンデイマシタ。ハイ。」という。
北九州には、友人が複数いるので今日の出会いを知らせたい。
外国を旅していると、結構「ニホンゴノセンセイシテマシタ」という白人と出会う。
最近の私は、運動不足もはなはだしいくらいなので「今度、歩いてきたら危険かい?」と聞くと「シロクマがウロウロしているよ」という。
確かに身の回りは、平気でライフルが置いてあるし、銃弾も転がっている環境である。
女性も、「ハンティング・ライセンス」を持っている。よし、またスノーモービルで来ることにしよう。
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ホテル内には、イヌイットの絵画や写真が多く掛けられている。
今後も日誌で紹介していきたい。
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小林丈一
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