2005年3月7日

ひとり

朝8:45に、遠征隊から遠征後初の衛星電話が入った。 ワード・ハント島を出発した昨日の気温は−50℃以下だったが、今朝は−35℃なので寒さを苦に感じないと言う。 寝袋も3重にして寝たので、全く寒さを感じることはなかったらしい。 私は「四六時中、遠征隊の無事を願っている。」と伝えた。

今日から私は一人である。まずは、レゾリュート・ベイに着いてから大場さんと一緒だったツインの部屋から、 1階のカフェテリア入り口にあるシングル部屋へ引っ越した。 この地は湿度が低いため、意識して水分を摂らなければならない。 カフェテリアに近い部屋は、いつでも水分補給に行けてありがたい。

ホテルへ来ている子供たちも、よく私の部屋へ「ハイ、ジョー」と言いながら入ってくる。 私の名前は「ジョウイチ」なので、日本でも「ジョー」と呼ばれている。 「Joe」という名前は、もちろん海外でも通用するので、私はとても気に入っている。 村やCO-OPの中で出会った人たちも、気軽に「ハイ、ジョー」と声をかけてくれるので嬉しい。 しかし、子供に声をかけられても「はて?どの子だろう?」と思うことがしばしばある。 それは、子供たちの多くが、顔全体をフェイス・マスク覆ってしまっているので、誰だか分からないからである。

雪遊びに夢中だった、ホテルの隣家に住む兄弟

遠征隊は、今日一日でどこまで進むことができたのだろう?沈む夕日を見ながら、毎日を楽しく過ごせることを願う。 出発前はうまくやっていても、極地での毎日は想像以上に精神的な困難も伴うだろう。 それぞれ、国籍が違う者同士が共に行動するのだから大変である。遠征隊3人は、今後一つのテントで毎晩を過ごす。

北緯74度の夕陽である。ここへ着いたばかりのころ、太陽は高く昇らず、水平線上を転がるように移動していた。

小林丈一    


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