2005年3月8日

サンプリング開始

朝8:45に、遠征隊から報告の連絡が入った。 昨日は、東からの向かい風とソリの重さが手伝って約8kmしか進めず、現在地は北緯83度05分・西経73度32分。 気温は−38度Cで曇りとのこと。しかし、みんな元気な様子だった。

私は、今日になってやっと空気の汚染濃度測定器を稼動させ、降雪サンプルの水素イオン濃度を測ることができた。 これは、私が在籍する東北公益文科大学の大歳恒彦教授(工学博士)に協力を頂いている。

私はまず、空気の汚染濃度測定器をガレージの中にセットし、壁に開いている穴からホースを外に出し、 フィルターが入ったホルダーをぶら下げる作業を行なった。 それから、5日から7日後にフィルターを外すと、そこについた汚れ具合で、空気の汚染濃度が分かる。 そして、再び新しいフィルターに取り替えてセットすれば新たに測定できる。

降雪のサンプリングは、遠征隊が出発したときに北緯83度05分・西経74度00分のワード・ハント島と、 北緯80度00分・西経85度50分のヨーレカで採集してきた雪を溶かして測定した。 結果は、ワード・ハント島pH6.0で、ヨーレカpH5.6だった。

通常雨はpH5.6以上とされるので、両地点では酸性雨の問題はないようだ。 ちなみに、pH5.5-pH4.1までが酸性雨。pH4.0以下が強酸性雨という基準である。

その後、私はガレージ内に置いてある遠征隊の荷物を整頓した。 6日にワード・ハント島を出発した遠征隊は、1,630km南のここまで歩いてくる。 そして、ここで補給品を整えて、再び南下していく。 今後、極地を目指す人たちが、このガレージを拠点にする可能性があるので、そのためにも整頓が必要だった。

ホテルに掛けてあるイヌイットの絵画

同じく イヌイットの絵画

小林丈一    


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