イヌイット伝統の皮服
朝9:40に、遠征隊から連絡が入った。位置は、北緯82度54分・西経70度54分。
今日は、冬季にハンターが着るものを紹介する。
それを、古い時代にイヌイットが着たものと比較する。
これは、前がファスナーになっている。伝統的なイヌイットの形はプルオーバー(頭からかぶって着る)タイプである。
その方が、熱を逃がさない。上下は、カリブーの皮。
昔は、裸のままこれ1枚だけ着ていた。ついた雪は、掃えば落ちる。
寝る時も、カリブー皮とカリブー皮との間、あるいはシロクマの皮を敷いてカリブーの皮をかけて裸で寝た。
これは、アメリカからシロクマ狩りに来ている身長が2メートル近くあるハンターから借りたものである。
そのハンターが着れば着丈は腰を覆う長さだが、162cmの私が着るとひざ下まできてしま
う。ずっしりと重く、生臭い。
全部で、3重になっている。ブーツの底は羊毛で甲の部分が羊皮、すねまでの部分がアザラシの皮である。
ブーツがひざ下までくるので、ズボンは7分丈である。
小林丈一
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