2005年3月11日

映画DVD鑑賞

朝9:30に、遠征隊から連絡が入った。晴れで気温は−36℃。 今日は、いよいよ内陸に入ることができそうだという。 うまくいけば、パラセールを使って、日に100km以上進むことができる。 次の補給地点まで600km以上あるので、食糧と燃料が尽きないうちに進めることを願っている。

今日は、ブリザード(吹雪)だったため、『THE FAST RUNNER』(邦題は『氷海の伝説』)という映画のDVD を見て過ごした。 この作品は、イヌイット先祖代々語り継がれて来た「アタナグユアト (Atanarjuat足の速い人)」の伝説を元に映画化したものである。 カナダ北東部にあるイグルーリク島を舞台に、親子4世代にわたる愛、憎悪、そこで暮らす人々の共同社会を描いている。 冬になると全ての景色が氷で覆われる極寒の世界を、美しい映像で見られた。

映画監督の「ザカリアス・クヌク(ZACHARIAS KUNUK)」は、2001年カンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞している。 また、トロント国際映画祭ではベスト・カナダ映画賞を受賞した。 キャスト全員が現地に暮らす人々で、監督、脚本家はじめスタッフのほとんどもイヌイット。 イヌイットによる、イヌイットの言語を用いた、初めてのオリジナリティ溢れる長編劇映画として、世界各国で注目を受けたようである。

昔のイヌイットの生活スタイルを知ることができる。

古い時代を描いたものだが、殺人・レイプ・シーンなどもあった。 古いイヌイット同士の社会に、そのようなことがあったとは意外である。 イヌイットは、平和な狩猟民族だとばかりだと思っていた。

DVDでは、西洋文化が入ってくる前のイヌイットの生活スタイルを知ることができる。 特に興味を引いたのが、衣類と道具類である。

「アマウティック(Amautik)」という女性用の服
大きな頭巾に子供を入れる

古くはカリブーの毛皮で作られていた。それを裸のままかぶった。
そして、子供も裸のまま背負われていた。
カリブー: 北アメリカ産のトナカイ(シカ科)のこと。 アラスカ・カナダの北極圏に広く分布する。短い夏は、子育ての時期であるため、数万頭から十万頭もの群れをつくる。 カリブーの肉は、イヌイットの貴重なたんぱく源になっており、 「一番好きな食べ物は、カリブー」というイヌイットもいて、とてもおいしいようだ。 私は、まだ食べてない。

このアマウティックの中は3重になっていた。

一重目はキルティング

二重目はフリース
そして、一番外側の紫の生地になる。三重の生地を使うので、体温が温存されて温かい。

小林丈一    


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