2005年3月10日

クヮクマクタリク

いつも朝に遠征隊から衛星電話が入るのに、今日は昼になっても入らなかった。 こちらからかけても、バッテリー節約のため、電源が切られている。 恐らく、連絡する余裕がなかったのだろう。夜まで待つことにした。

レゾリュート・ベイにあるクヮクマクタリク・スクール(詳しくは3月1日付日誌)の名前の由来は、シロクジラの骨で作ったテントの柱からきている。 そのテントは、貨幣がまだ流通せず、猟だけで生活をまかなっていた時代のものである。 この骨のまわりに、アザラシの皮を覆わせて人が住んでいた。 昔のイヌイットは、雪以外の季節だけテントに住んで、冬になると雪をブロック状に積んだイグルーに住んだ。

木ではなく、シロクジラの骨である

雪に埋まってしまって全体像をつかみにくいが、レゾリュート・ベイでは有名な場所だ。

夜になっても遠征隊から連絡が入らなかったので、19:45に大場さんの衛星電話へ電話した。 偶然、大場さんが衛星電話を操作している時にかけたようで、無事に元気な声を聞くことができた。 しかし、ホヴァートの体調が悪いようだ。また、大場さんとホヴァードの手の指先が軽い凍傷にかかっているという。 今日の天気は、晴れで風はなく、気温は−36℃。 位置は北緯83度06分・西経71度59分で、ソリが重く(約100kg)6kmしか前進できなかったとのこと。

小林丈一    


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