2004年5月19日

最初の船が来た

ニャーコンネにいるオリョウから、ビアテの家に電話が入った。 最初の船は、ニャーコンネに立ち寄ったあと、ウマナックに向かったという。

港からは遠いビアテの家からでは、最初の船の到着は見えない。学校に行ったビアテから、「今日の朝早く船はウマナックに着いて、 港に入っているそうよ」という電話がかかってきた。カメラをしっかり持って、港へ向かうと、丘の上から、氷の浮かぶ海に赤い、 大きな貨物船が停泊しているのが見えた。


氷のはる海を裂いて、デンマークから最初の船がやってきた。

港の船の近くに行くと、かわるがわる人々が船の様子を見に来たり、運輸会社の作業員が荷下ろしをしたりして、 船の到着を喜ぶ、ワクワクした空気が伝わってくる。積み上げられた荷物を見ると、テレビ、トイレットペーパー、 バター、牛乳、家具、ビール、「何もかも」といってもいいくらいたくさんの物があった。


たくさんの食料品、生活用品が荷揚げされる。

午後、スーパーに買い物に行くと、ウマナックでは数週間前に品切れになったというジャガイモが山のように積まれていた。 小ぶりの、直径5pの長細いジャガイモだった。ビアテは、これをたくさん買い込んだ。今夜の魚料理の付け合わせにして、 久しぶりに、本物のジャガイモを楽しむ計画を立てていた(ジャガイモが手に入らないときは、レトルトのマッシュポテト、 冷凍のフライドポテトを使うそうだ)。


スーパーには、スイカ、リンゴ、オレンジなど、色とりどりの果物が並び、店内が華やぐ。


「氷よ、去れ!」

最初の船が来ると、氷に割れ目ができるので、小さなボートも沖へ出られるようになる。氷が薄くなり、犬ぞりで移動ができなくなると、 ボートで海を航行できるのを待つしかないのだ。でも、大きな船によってできた氷の割れ目も、風の具合では、 また氷と氷がくっついてしまうこともある。南風が吹けぼ、氷は北に流れていく。 だからこの時期は常にも増して、ウマナミューは風向きを気にするのだ。


氷の裂け目に沿って、小さな船が動き出した。


待ちかねたジャガイモと、ウマナックでは豊富に獲れるオヒョウで夕ご飯。

    


2004年4月
2930311234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

2004年5月
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

2004年6月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
2829301234