2004年5月23日

ヌッソア半島

ウマナック地方は、この島と、周囲に点在する島と、ヌッソア半島にある村をあわせた、7つの集落から成っている。 5月中旬から8月中旬までは、太陽の沈まない白夜だが、冬の12月から2月は、太陽の昇らない日が続く。どのくらい暗いのかを聞いてみたら、 車はライトをつける必要があるが、一面を白い雪で覆(おお)われているので、その白さのおかげで、真っ暗闇というわけではないそうだ。


ウマナックからヌッソア半島周辺の古い地図。
ブルーの線は、ニャーコンネまで行った犬ぞりの旅のルート。

Qilakitsoqという村では、おそらくグリーンランドの考古学史上に輝く発掘がなされた。1972年、6体の大人と、 2体の子供のミイラが発見されたのだ。調査の結果、それらは、1475年頃のものと推測された。有名なエジプトのミイラのように、 特別な処理をして埋葬(まいそう)されたものではなく、寒冷な気候によって、自然にミイラ化したのだそうだ。


ミイラの発掘地。

このミイラたちには、ヌークの博物館で出会っていた。ウマナックは、このミイラを故郷に戻して欲しいと申請しているが、 なかなか実現しないという(この発見は世界的にも注目され、『National Geographic』の表紙を飾ったこともある)。


自然にミイラ化した、赤ん坊のミイラ。
大きさは50センチくらい。男の子だという。

この付近には、さまざまな種類のクジラが生息している。フィンクジラ、イッカククジラ、シロクジラ、ミンククジラ、キラークジラなど。 特にイッカククジラが捕れるのは、この辺りと、東グリーンランド、そしてカーナークと、グリーンランドでも地域が限られているそうだ。 夏には、船からホエール・ウォッチングが楽しめるらしい。ヌッソア半島には、レイン・ディアー、北極ギツネ、北極ウサギも住んでいると聞いた。


空から見たウマナックと、ヌッソア半島。


季節の移り変わり

グリーンランドに3ヶ月滞在して、7月前には帰る予定だというと、それではグリーンランドの一番美しい季節を見逃すことになるよ、 と言われたことがある。「でも、夏なら氷に覆われた海や、犬ぞりは体験できないでしょ?」と聞いたら、 「寒い冬も、短い夏も美しいし、だんだん寒くなり、氷がはっていくのを見るのも、ワクワクする。暗い数ヶ月のあと、 その年初めて昇る太陽に出会う一瞬は、何度見ても感動する。だから、最低1年はいないと、 グリーンランドを経験したとは言えないよ!」と、言われた。

確かに、そうかも知れない。まだ滞在は1ヶ月も残っているから、気が早いかも知れないけど、私自身、この旅の続きが、とても気になる。

    


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